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自分に合ったパラレルキャリアどう見つける? ナカムラクニオさんに聞いてみた

終身雇用や年功序列といった従来の働き方が崩壊しつつあるいま、一つの組織に縛られることなく好きなことを仕事にして自由に働きたい、そんなワークスタイルを目指す人が増えています。その一つが今の仕事とは別の仕事を持ったり、ボランティアなどに参加したりする「パラレルキャリア」です。

興味はあっても、「一体私には何ができるのだろう」「やりたいことはあるけれど本業との兼ね合いが不安」など、一歩を踏み出せずにいる人もいるのではないでしょうか? パラレルキャリアを目指すには、どのような設計図が必要なの? ブックカフェ「6次元」の店主で金継ぎ師、専門学校講師、キュレーターと、自身もパラレルキャリアを実践するナカムラクニオさんに聞いてみました。

パラレルキャリアを始めるなら、まずは「自分資源発掘」を

パラレルキャリアを組み立てる際、役に立つのが自分のスキルの「棚卸し」と、ナカムラさんはいいます。

「まずは生まれ持った特性や特技、培ってきた知識など、“自分資源”をリストアップすることをおすすめします。たとえば、“コーヒーが好き”、“文学に詳しい、“早起きが得意”など何でもいいんです。そして、それらを組み合わせて何ができるかを考える。一つひとつを見れば、多くの人が持っている特技や知識かもしれませんが、組み合わせることで、いく通りものオリジナルのパラレルキャリアができ上がります」(ナカムラさん、以下同)

「さっそくやってみよう!」と紙とペンを用意したのはいいけど、「自分の資源って一体何だろう?」と、リストアップ段階でつまずいてしまう人もいるかもしれません。しかし、ナカムラさんは「気づいていないだけで、眠っている資源は誰にでもある」と断言します。

「自分を客観視することが苦手な人や、リストアップしてもやりたいことがわからない、という人は、ぜひワークショップなどのイベントに参加してみてください。自己流だったスポーツ選手がトレーナーに指導を受けることで技術がぐんと伸びるように、文章の書き方や自分の表現の仕方、頭の整理の仕方も、ノウハウを知っている人にちょっと背中を押してもらうことで、思いがけない自分を発見できることがあります」

何枚もあるカードをひき、そこに書かれている「理想の生活とは?」「その理想を叶えるためにできることは?」などの質問に即座に答えていく、1時間で今思っていることをひたすら書き出すなど、その方法はさまざま。ゲームのように問われることで、封印していた自分の特長をアウトプットでき、そこからパラレルキャリアの選び方が見えてきます。

そして、自分がやりたいことが見えてきた段階で、ナカムラさんがぜひ実践してもらいたいというメソッドが「新たな肩書き」を考え、「10年後のプロフィール(150字程度)」を書くこと。

「一見笑い話みたいですけど、自分に新たな肩書きをつけるということは、実はとても意味のあること。立場が人を作るというように、自分らしい働き方を端的な言葉で肩書きにしてしまえば、それに適応しながら自分らしさが発揮できるようになっていきます。10年前には“ブックコーディネーター”の肩書きはなかったけど、本が好きで詳しい人が、その知識をお金に替えるという発想からそういう職業が誕生した。同じような例はたくさんあります」

その肩書きに沿って、10年後のプロフィールには、「××年、『△△』というタイトルの小説を発表。ベストセラーになり直木賞を受賞。憧れの□□氏との対談企画が実現」と、詳細な未来の自分を思い描く。「新たな肩書き」と「10年後のプロフィール」を書き出すことで、何をするべきか、どう動くべきかのビジョンが明確になるといいます。

すべてに全力投球は不可能、手抜きができる仕組みを作る

ビジョンが見えてきたら、さっそくパラレルキャリアのスタート。理想的な始め方はあるのでしょうか?

「まずは休日を使って始めることをすすめています。いきなりやりたいことに注力したとしても、失敗する可能性もありますから。状況に応じて少しずつシフトチェンジしていき、いずれ組織を離れることを念頭に置くのであれば、同時進行で小さな芽(小商い)を3個、4個育てて、独立した時に複業体制を取れるように準備しておけば、収入面でのリスク回避にもつながります」

そのうえでパラレルキャリアを上手に継続していくためには、「仕事(時間)の配分を自分でコントロールできる仕組み作り」がポイントだといいます。

「パラレルキャリアを維持するためには、働き方そのものを見直す必要があります。いくら好きなことを仕事にしたとしても、すべてを完璧にこなすのは無理です。適度にゆるい感じの方が成功すると思います。本業・副業という概念ではなく、その時々で力を入れるべき仕事を変える。今月はここに力を入れると決めたら、それを中心にほかの仕事の時間を組み立てます。たとえば僕の場合、今月はキュレーターとしてイベントに参加する仕事をメインにすると決めたら、『6次元』で開催するイベントの申し込みを断ったり、月をずらしてもらったりして調整、取材や打ち合わせなどの仕事は週のうち1日だけに集中して組み入れることで、イベント準備に充てる時間を作リ出しています」

やりたいことに合わせ、自分が働きやすい環境を作り出せるのもパラレルキャリアの醍醐味。自分の興味を棚卸しし、それに沿って柔軟に対応していくことがパラレルキャリアを築き上げるコツといえそうです。

(塚本佳子+ノオト)

  • ナカムラクニオさん

    取材協力者:ナカムラクニオさん

    ブックカフェ「6次元」店主。金継ぎ師。専門学校講師。著書に『人が集まる「つなぎの場」のつくり方 – 都市型茶室「6次元」の発想とは』(CCCメディアハウス)、『パレルキャリア』(晶文社)などがある。

  • ライター:塚本佳子

    ジャンルを問わず、幅広い分野で執筆活動を行なっている。週末のみ自宅ショップ「Fika」店主。『著書は『小さくてかわいい家づくり』(新潮社)、『Fika』(Pヴァイン)などがある。

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