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NY発のWeWorkとオランダ発のSeats2meet! ワーキングスペースを超えたコミュニティの力

はじめまして、オランダで活動するフリーライターの佐藤まり子と申します。日本のクライアントとリモートワークで仕事をしつつ、オランダで剣道関連のEC事業の起業手続きを進めています。

自宅がある北アムステルダム

普段はアムステルダムから自転車で20分ほどの家に住み仕事をしていますが、気分転換やネットワークづくりのためにコワーキングスペースも利用しています。

オランダには、世界15カ国49都市で展開するNY発の「WeWork」とオランダ発で約30年の歴史を持つ「Seat2meet」の2つの大きなコワーキングスペースサービスがあります。どちらもコミュニティづくりを大切にしており、いつ利用してもにぎわいがあります。今回は、オランダのコワーキングスペースについてレポートします。

”月曜日が待ち遠しくなる”オフィス、WeWork

WeWorkは「人々が生活のために働くのではなく、自らの人生を生きるために働けるような世界を創っていくこと」を理念としています。

WeWork Webサイトのトップページには”Look forward to Mondays with workspace (月曜日が待ち遠しくなるワークプレイス)” とあり、長い時間を過ごすオフィススペースを快適に作り上げようという意図が伝わってきます

オランダのWeWorkはWeteringschansとMetropoolの2カ所で展開しています。実際にMetropoolのWeWorkオフィスに登録・利用してみて、「オフィス空間も、そこで働く人たちもオープンで、リラックスできる」という印象を受けました。

デザイン性の高いインテリアはすべてインハウスで設計。メインのフリースペースには木材でできた大きなデスクが置かれており、そこで落ち着いて作業ができますが、疲れたときは、アムステルダムの景色を見ながらくつろげるソファースペースも。このソファーに寝っ転がりながらMacbookで作業するメンバーもいました。

室内は自然光が入りやすいよう設計されており、フロアには木材を使用することで自然の色味を保っているそう。初めてWeWorkに入った時は、建物の外観から受けた印象よりずっと開放感のある空間で驚きました。

コーヒー、カットフルーツ入りの水は無料で利用できます。クラフトビールも無料。一日の終りにビールを飲んでから帰宅するのもいいかもしれません。

建物は5階建てで、共有スペースには卓球台、各階にあるキッチンには冷蔵庫も。シュレッダーやプリンター、無料の電話ボックス、働くお母さんのために授乳スペースも設置されています。犬を連れて出社している方もいました。

WeWorkアムステルダムの外観。建物の正面には川が流れており、のどかな風景が広がります。

●メンバー同士をつなげるファシリテイター

WeWorkの特徴の一つにメンバー同士をつなぐファシリテイターの存在があります。ファシリテイターは私が訪問した際は1階に5人ほどいましたが、明るくて話しかけやすい方が多かったです。オランダ人のほかに、ギリシャ人、エチオピア人もいるらしく、いろいろな国籍の人が働いているのはオランダらしいなと思いました。

オフィスを利用しているWeWorkメンバーとも積極的にコミュニケーションを取っており「こんな仕事をしている人とつないでほしい」など相談に乗ってくれるそうです。コミュニティを活発にさせるために動いているんだという印象を強く受けました。日本にもコワーキングスペースは数多くありますが、私が利用してきたサービスの中にメンバー同士を自然につないでいるところはなかったので新鮮に感じます。

また、メンバー同士の交流を図るために、チーズを食べながらの交流会やヨガ、夏にはサマーキャンプなどのイベント実施されます。オフィススペースを超えたコミュニティの役割を担っているといえるでしょう

WeWorkの料金プラン

なお、WeWorkには大きく分けて4つのプランがあります。

・ON DEMANDプラン……月1回(9時〜18時)利用月額45ドル

・HOT DESKプラン……毎日利用(月〜日まで24時間)。月額100ドル

・DEDICATED DESKプラン……専用のデスクを毎日利用(月〜日まで24時間)。月額330ドル

・PRIVATE OFFICEプラン……専用のオフィススペースを毎日利用(月〜日まで24時間)。月額450ドル

私は月に1回オフィススペースを利用できるON-DEMANDプランに申し込みました。月1回でも違う場所で利用できると、いい気分転換になります。

世界15万人以上のメンバーとつながるコミュニティ

WeWorkが提供するコミュニティーサービスでは、世界中でWeWorkを利用する15万人以上のメンバーとつながることができます。

上の写真はログインした画面です。コミュニティは、SNSをイメージしていただけると理解しやすいと思います。フォローしているメンバーのフィードがタイムラインに流れ、興味があるグループに所属することや、近くで開催されるイベントを検索して参加することができます。

また、仕事について相談することも。「私はアムステルダムで活動するフリーライターです。オランダでは剣道用品を販売する準備をしていますが、ライターとしても活動したいと思っています。オランダでのライター案件はありますか?」と質問したところ、2分後に「ハーグで旅行に関するライターを募集している知人がいます」と返事がきました。

日本では、営業活動に不安を抱いてフリーランスになることをためらう方も少なくありませんでしたが、WeWorkを活用すれば悩みの解決につながりますし、特に海外で活動したいフリーランスの強い味方になるのではと感じます。

自分が持っているスキルを登録すれば無料利用できるSeats2meet

1989年からサービスを開始したSeats2meetは、WeWorkと同じくコミュニティの機能を大切にしていますが、少しサービス内容が異なります。

会員登録の際に自分が持っているスキルを登録し、条件を満たせば無料でコワーキングスペースを利用することができます。私の場合は「writing / web direction / digital marketing / teaching Japanese and Kendo」などを登録しています。

Seats2meetはオランダ国内77箇所で展開しており、私がよく利用するのはアムステルダム駅から徒歩3分ほどのMeet Berlageです。

元々は証券取引所だったMeet Berlage。オランダのトップモニュメント100にランクインしています。

では、無料で利用できる条件とは一体何か。それは、自分のスキルを生かしてほかのメンバーを助けること。たとえば、このスキルを見たほかのメンバーから「ライティングの相談がしたい」と話しかけられたとします。このとき、私がその相談に乗って、相手を助けることができれば、無料で利用できるようになるのです。これは、お互い持っている社会資本を活用して、社会をより良くしていこうという理念に基づいています。

上の写真は、Seats2Meetのアプリのスクリーンショットです。コワーキングスペースにチェックインすると、アプリ上で自分のスキルとマッチしたメンバーが表示され、チャットをすることができます。「あなたはフリーランスですか?」「このコワーキングスペースを通じて仕事を獲得したことがありますか?」と、ちょっとした質問をしてみました。

すると、すぐに返事がきて「コーヒーでも飲みながら話す?」と言ってもらえました。ちなみに、この方はオランダ人のフリージャーナリストで、MTGとMTGの合間にSeats2Meetを利用しているそうです。

建物の中には、自分の仕事をアピールするボードや、名刺を置くスペースも。

ところで、無料なのはワーキングスペースだけではありません。コーヒーやカフェラテ、ホットチョコといったドリンクも対象です。

紅茶も無料です。

ミントとレモン入りの水も常備されています。

ランチは4.75ユーロで簡単なビュッフェを利用でき、お昼ごはんを食べながらほかのメンバーと交流することも。ランチ以外の時間もチョコレートバーや果物などが置いてあるので、適宜購入して食べることもできます。

ちなみに、ある日、20ユーロをくずしてチョコバーを買おうとしたら「細かいお釣りが出せないから、来週持ってきてもらっていい? 今日は支払わなくていいよ」という大らかさがあることにも驚きました。また、創業者の一人のRonald氏のツイッターをフォローし、「御社のサービスを利用しています」と話しかけたら、「企業理念について詳しく説明するのでランチでもしませんか?」と話しかけてもらえるなど、コミュニティを作ることに創業者自らがフラットな姿勢で取り組んでいるように感じました。

こうした事業形態でどのように収益を生み出しているかというと、同社では有料の会議室予約やオフィスレンタル事業も行っており、そこから得ているそうです。

つながりを生むオフィス コミュニティ

WeWorkもSeats2meetも、オフィスを単なる「作業をする場所」ではなく、人との出会いやつながりを生むための大切な「コミュニティ」として捉えています。企業に所属せず、単身でオランダに来た私にとっては、これらのコミュニティは自分を受け入れてくれる大切な場所の一つ。

実は、Seats2meetは日本に進出済みで、WeWork も2018年には日本に上陸予定。自国にとどまらずに各国に展開し、さまざまな国の人ともつながる可能性をもつこれらのコミュニティサービスををぜひ利用してみてはいかがでしょう。

(佐藤まりこ)

  • ライター:佐藤まり子

    フリーのライター、Webディレクター。オランダと日本2拠点で活動中。分野問わずSEOライティングが得意。持ってる資格は剣道五段。オランダではBUSHIZO(ブシゾー)海外版として剣道用品の販売も。猫と旅行が好き。Twitter : @mariko_cabin442

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