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副業・複業がもてはやされているけど……人によって向き不向きはある?

本業の傍らに別の仕事を持つ「副業」と、主でも副でもなく複数の仕事をする「複業」。一つの仕事に縛られない働き方は、「仕事の幅が広がる」「新しいつながりができる」「自らの成長につながる」など、さまざまなメリットが挙げられています。

しかし一方で、「時間の管理が大変」「体力的に厳しい」といった声も聞きます。いい面ばかりがクローズアップされる副業・複業ですが、デメリットもあるのでは? 執筆、編集、ラジオ番組のブッキング業務、イベント企画、書店員、バースタッフと、6つの仕事を持つ女性は、複業について次のように話します。

複業が向いていない……その理由は?

「正直、私は複業に向いてないと思います。というのも、すべてご縁でいただいた仕事だし面白そうだから引き受けたのですが、その分優先順位がつけづらくて……。全部やりたいけど、100%で取り組みたくてもそうできなくなってしまったんです。そうしたら、全部が滞ってしまいました。いろんな仕事ができるのは楽しい反面、頭の中を整理してシャキシャキ回せないと厳しい面もあるなと感じています」(31歳・女性)

彼女は友人や知人から「こういう仕事があるよ」と、誘われるままに引き受けていたら、複業の働き方になっていたとのこと。「興味関心ごとが多すぎる人は向いていないのかも」と考察してくれましたが、こうした働き方には向き不向きがあるのでしょうか? 『パラレルキャリアを始めよう!』(ダイヤモンド社)の著者、石山恒貴さんに聞きました。

「副業・複業には自己管理が欠かせません。特に自分がやりたいと思って取り組むだけに、楽しくてついつい夢中になりすぎてしまう。結果、体調を崩してしまったという人もいます。そのため、一つの仕事のとき以上にしっかりと休養を取る必要があります」(石山さん)

となると、自己管理ができない人には向いていない……?

「いえ、必ずしもそういうわけではありません。複数の仕事をすると、優先順位をつける必要性に迫られます。しかも自分がやりたいと思って始めたことだけに、どうしたら両立できるかを考えますよね。副業・複業を通じて優先順位付けができるようになったり、隙間時間を有効活用できるようになったりした人もいますよ。おそらく、向いていないという彼女の場合は最初から多くを盛り込み過ぎたのが原因。スケジュール管理や優先順位をつけることが苦手な人は、まずは2つの仕事だけにするなど、スモールスタートで始めて感覚をつかむといいと思います」(石山さん)

石川さんによれば、副業をうまく進めるコツとつまずく理由は以下にまとめられるそう。

副業・複業をうまく進めるためのコツ

  • 最初から多くのことに取り組まず、優先順位をつける
  • 収入だけにこだわらず、自身の成長を視野に入れる
  • さまざまな人からのアドバイスを積極的にもらう

副業・複業でつまずく理由

  • メリハリをつけ、思い切って休むことができない
  • 隙間時間・ITの活用など、時間管理の工夫が弱い
  • 本当に自分のやりたいことを絞り込んでいない

複数の仕事を行うことは、多種多様な価値観に触れられる機会

スモールスタートで副業・複業を始めようと思うなら、まずはボランティアもおすすめだという。

「何か収入になるものをと意気込みすぎると、なかなか始められないこともあります。まずは収入を得ようとすることにこだわらず、ボランティアに参加したり社会人大学に通ったりするなど、肩肘をはらずに小さなことから気軽に始めてみてもいいでしょう。もし“仕事”で考えるなら、たとえば、会社員として人事の仕事をしているなら、ワークショップのデザイナーやファシリテーターなどの仕事は組み合わせやすいという例もあるかと思います。ワークショップは人材育成の方法で、人事の業務としてもよく使い、いろんな意見を引き出す共通点があるからです。いずれにしても、副業・複業は一つの仕事だけでは得られない体験があり、自分の視野を広げてくれる貴重な機会です」(石山さん)

冒頭の女性は、「複業は単純に楽しいし飽きません。一つの仕事だけだったら、飽きてるかもしれなかったなと思います。それに、一つの場所に居続けるわけではないので、対人関係のストレスがほとんどなく、いろんな人とやりとりできるのも気持ちが楽です。私みたいにスケジュール管理が苦手な人は、何人かで仕事を受けて、お互いに管理できる体制にしたらベストなのかも」とも話してくれました。

副業・複業を通じて多くの人と出会うと、異なる価値観に触れる機会が増え、対応力も磨かれます。たとえ一つの仕事で自己管理に自信がなかったとしても、やりたいことがあるなら始めてみて、実践しながら身に着けていくのも一つの選択肢といえそうです。

(南澤悠佳/ノオト)

  • 石山恒貴さん

    取材協力者:石山恒貴さん

    法政大学大学院政策創造研究科教授。企業の人事を経て現職に。雇用システムと人的資源管理を研究領域とする。著書に『パラレルキャリアを始めよう!』(ダイヤモンド社)。
    ▼石山恒貴研究室
    https://www.facebook.com/IshiyamaNobutakaLab.Hosei

  • ライター:南澤悠佳

    有限会社ノオト所属の編集者、ライター。得意分野はマネー、経済。ママ向けや不動産、会計など、企業のオウンドメディアを中心に担当する。 Twitter ID:@haruharuka__

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