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Freee

【社員インタビュー】freee入社と同時に副業を開始! 本業にもたらしたメリットとは

「働き方改革」に注目が集まる昨今、副業OKを宣言する企業が増えてきました。これに合わせて、自身が掲げる夢や目標に向け、思い思いの働き方を模索している人もいるのではないでしょうか。新しい働き方を推奨するfreee社内にも、そうした働き方を実践している人がいます。freeeへの転職直後から副業によって知見を広げ、ついには起業に至った折川穣さんのケースをご紹介します。

趣味のバンド活動から講師のオファーが舞い込む

──まず、freeeに入社するまでの経歴を教えてください。

2012年に新卒でGoogle株式会社に入社し、広告営業を担当していました。営業畑に望んだのは、もともと自分のコミュニケーション能力に自信がなかったためで、いわば修行の一環としてこの世界に飛び込みました。Googleでは主に新規営業を担当し、2年ほどキャリアを積んだ後は、およそ60社の広告代理店をマネジメントして、より大規模に営業を展開するポジションを務めました。

Googleには4年ほどお世話になり、現在のfreee株式会社に転職したのが2016年4月。担当業務は、主に販売代理店の開拓です。たとえば先日も、富士ゼロックス株式会社との業務提携を発表したばかりですが、こうしたアライアンス契約によって、全国何千という営業担当者がfreeeの顧客開拓に動くことになります。

――そんな多忙を極めるなか、折川さんが行なっている副業とは?

2016年の4月から、本業と並行してミュージックスクールの講師を始めました。といっても、音楽を教えているのではなく、クリエリティブやビジネス理論の講義を行なっています。

もともと中学高校と吹奏楽部でパーカッションをやっていて、大学からは軽音楽部に所属し、バンド活動を行なうようになりました。だからといって、音楽で食べていこうという考えはなく、社会人になってからは「あくまで趣味の範疇で、できるかぎりのことをやろう」とメンバーとも話し合っていたんです。

あるとき、クラウドファンディングで資金を募り、来場無料でアートやショートムービーなどと音楽がセットで楽しめるイベントを自分たちで企画したところ、ミュージックスクールの関係者の方とのご縁を得ました。それが講師として声がかかったきっかけになります。

――副業のスタートはfreee入社と同時期ですよね。会社側との調整は、どのように進められたのでしょうか。

厳密に言うと、講師として声をかけられたのはGoogle勤務時代の最後の方で、その時点ではまだ退職は考えていなかったんです。その後、freeeへの転職を検討する過程で、副業を前向きに認めてくれるという環境に惹かれ、決断するに至りました。入社するにあたり、あらかじめ「毎週水曜日の午前は授業があるので、午後出社にさせてほしい」と希望を伝え、認めてもらっています。なお、今年度からは平日だけでなく、土曜日にももう1つ講義を担当し、週に2度教えるようになりました。

副業を持つことで得られる、本業でのメリット

――講師業との二足のわらじ。副業を持つことが、本業においてプラスに働くこともありますか?

それはかなりあると思います。マーケティング論でも何でも、体系立てて何度も繰り返し人に教えることで、自分自身の頭の中も整理されますから、freeeで仕事をする上でも思考が明快になりました。また、最近は「働き方改革」が注目されていることもあり、セミナーに呼んでいただく機会も増えました。自分自身の働き方や体験談を広く伝えていくことが、会社のPRにつながる部分もあるのではないでしょうか。

それに、以前よりも会社にいる時間に集中して実務にあたれるようになった気がしています。これは副業があるからこそのメリハリだと感じています。

――しかし、体力的な面など、負担は増しているのでは?

もちろん大変な部分もありますが、負担よりもメリットのほうがはるかに多いと感じています。自分の場合、1つの仕事に専念しているとなかなか気分が切り替わらず、発想が閉じてしまう傾向があったので。それが現在は、学校へ向かう道中などは、いつもとは違う頭に切り替わる感覚があり、新しいアイデアがひらめくこともありますし、授業を終えた後は、いつもより思考が活性化している実感があります。

時には授業がある日に出張が入ったり、どうしてもはずせない予定とバッティングしたりすることもありますが、その場合は授業をほかの日に振り返るなどして、柔軟に対応しています。そうしたイレギュラーを除けば、基本的に自分のスケジュールを自由に組める土壌があるので、会社には本当に感謝しています。

――そうした「新しい働き方」に前向きなfreee社内では、折川さんと同様に副業を持つ人が多いのでしょうか。

まだ多いというほどではありませんが、珍しくはないと思います。弊社には先進的な働き方を目指そうというスタンスがあるので、自分の活動がそれを後押しする一助になれば理想的ですね。

ついには副業で起業。見据える将来像は?

――ところで、講師業の副業とは別に、今春には自ら起業されたとか。これは……?

もともとは昨年、VRでライブ映像を一般向けに配信できなかったなと思いついたのがきっかけでした。友人知人のツテやネット上のサービスを使ってエンジニアを募って開発を始め、今年の3月には法人登記も済ませています。

しかし、当初はプロダクト開発後に、資金調達や融資を受けて事業を大きくしていくイメージを持っていたものの、実際に動き出してみると、VRのBtoCビジネスを個人で運営するのは、まだまだ技術的に難しいことがわかってきました。それに、こうした新しい分野でのスタートアップを成功させるには、コストも時間も大きな投資が必要になり、副業としてやっていくのは無理があるとも感じるようになりました。それよりも本業に腰を据えながら、1つの中小企業としてどこまで伸ばしていけるかに挑戦すべきではないかと方向転換し、現在は広告プロモーションの提案を手掛ける事業にシフトしています。

――VR事業からいったん撤退したことで、少なからずコストがかかったのでは?

具体的には、購入したカメラとマイクで60万円、その他の法人登記やサーバ構築に要したコストが数十万円。トータルで130~140万円ほどかかりましたが、もともとリスクを最小限に抑えようと銀行から借り入れたりはせず、すべて自己資金の範疇でまかなっています。

僕としてもVRからの撤退は苦渋の決断でしたが、それでも引き続き会社を続けようと決断したのは、何らかの形で自分の市場価値を確かめたいという執念ですね(笑)。

――今後は本業や講師業と平行して、立ち上げた会社を育てることに注力していく、と。

そうですね。いったん、かつてGoogleで手がけていた知見を生かして、広告プロモーションやWebコンサルとして機能する会社として成立させたいと考えています。そうして足場を固め、資金を蓄えながら、次にまた面白いアイデアを思いついたときには、すぐに動けるようにしておきたいですね。

――他方、本業であるfreee株式会社の仕事で、目指すべきものは何でしょう。

こうしたSaaS系のビジネスで、パートナー企業と連携して販売開拓を成功させた事例は、まだほとんどありませんから、その先例になるために尽力していきたいと思っています。この分野は、今後さらに盛り上がっていくことは間違いないので、この先さらに面白くなっていくのではないでしょうか。

「働き方改革」が注目される時代だからこそ、考えるべきこととは

――それにしても、会社を1つ立ち上げ、それを運営していくというのは、副業として非常にダイナミックな動きです。こうした経験から得たものは?

結局、頓挫してしまいましたが、今回こうしてエンジニアを募って実際にVR開発を手がけてみたことで、意外と個人でもそれなりのものを作れることが、実感として理解できました。これは非常に大きな経験で、さらにこれを成功させるためにはどのようなアイデアが必要か、どういった人材が必要か、といったことも少しずつわかってきています。これは次のチャレンジに生かせる、大切な財産だと思いますね。

――やがて自身の会社が大きく育ち始めたとき、折川さんのキャリアも1つの転換期を迎えることになりそうですね。

正直、そのときになってみなければ先のことは何もわかりませんが、本当にやりたいビジネスが自分の会社で実現できて、将来を含めた投資価値をそこに見出したのであれば、それを副業ではなく本業にすることもあるでしょう。ただ、こうした副業も自分の市場価値を高める手段の1つであるというのが現在のイメージで、それがfreeeとしての仕事に貢献することもあるはずです。

――最近では「パラレルキャリア」という言葉を耳にする機会も増えてきました。これから多様な働き方を目指す人に、アドバイスをいただけないでしょうか。

自分が今、30歳を目前に控える年齢になってみて思うのは、仕事に打ち込むのか、それともプライベートを充実させていくのか、ちゃんと方針を決めるべき時期だということ。一番良くないのは、どっちつかずで中途半端になってしまうことだと思います。

その点、せっかく現在、こうして新しい働き方に注目が集まり、各企業が前向きに対応している状況があるわけですから、この波に乗らない手はないでしょう。やりたいこと、好きなことを逃さずに、大切に向き合ってほしいですね。

(友清哲+ノオト)

  • 折川穣さん

    取材協力者:折川穣さん

    2012年にGoogle株式会社入社。2016年にfreee株式会社に転職すると同時に、尚美ミュージックカレッジで講師業をスタート。2017年3月には、自らCUEST株式会社を起業し、主に広告プロモーションを手がける。

  • ライター:友清哲

    フリーライター&編集者。主な著書に『日本クラフトビール紀行』『物語で知る日本酒と酒蔵』(ともにイースト・プレス)。『一度は行きたい「戦争遺跡」』(PHP文庫)、『作家になる技術』(扶桑社文庫)ほか。

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