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「何をやりたいのか真摯に突き詰めること」 クレイジーパパ×起業家×アメフト選手 北村雅史さんのパワーの源泉

世界一クレイジーなパパを目指して今日もクレイジーに生きるぜ!――それがインスタグラマーとしての宣言。クレイジーパパ( @crazypapa.tv)こと北村雅史さんは、子どもたちと自由奔放に躍動する動画や写真をInstagram(以下、インスタ)で発信しています。

そんな北村さんは、大学時代から始めたアメフト選手としても、独立後に新事業を立ち上げた起業家・イノベーターとしても縦横無尽に活躍中。とにかくパワフルに、やりたいことを見つけてはクレイジーに突き進んでいます。プライベート、仕事の領域を軽々と飛び越えて存在感を発揮するパワーはどこからくるのでしょうか? 北村さんに語っていただきました。

クレイジーに動いていたら、パートナーがどんどんジョインしてきた

――2016年6月にスタートしたインスタのフォロワーは現在3万人を越えています(2018年3月現在)。インスタは事業としてではなく、あくまで個人の発信として始めたんですよね?

そうです。経営コンサルティング会社のリンクアンドモチベーションを退社した後に「キャリアライブ」という就職活動の支援サービスを立ち上げて活動していく中で、子どもの教育の重要性に気づいたんです。キャリア形成で1番大切なのは「自分を客観的に捉えて考え、意思決定していく」こと。日本では多くの方が就職活動の時になって初めて自己分析という名のもとにそれを行いますが、その時点ではあまりにも無理があります。幼少期から自分を客観的に捉え、自分は何者で何がしたいのか? 常に問い続ける教育が必要だと感じました。

そこで、教育について発信するために何か面白い方法はないか……と模索して着目したのがインスタでした。それで、料理などをテーマにして息子との動画をアップし始めたら、すぐにバズった。1日に数百単位でフォロワーが増えていきましたね。

――一般ユーザーのみならず、国内外の企業からも注目されていますね。

2017年7月には、ヤマハさんの「『もしも○○がLMWだったら。』ベビーカー編」というプローモーション動画に出演させていただきました。ベビーカーを押してクレイジーに駆け回る。あの動画に出られるパパは日本には自分しかいないんじゃないか、という自負があります(笑)。

また、デンマークのボブルス社にお声がけをいただいてタイアップのプロジェクトを進めています。この2月には息子と一緒にデンマークに招待され、先方のオフィスやデンマークの教育事情を視察してきたばかりなんですよ。

――最初から、そうしたマネタイズの部分も意識されていたのでしょうか?

「クレイジーパパ」について、ロードマップとかマネタイズは特に構想していなかったんですが、いつの間にかビジネスのオファーも舞い込むようになりました。クレイジーパパの原点は「未来を創る子どもたちの力になりたい」ということ。ボブルスさんは、そんな世界観を理解した上でオファーしてくれて、パートナーシップを組むことになったんです。

――協業相手として「クレイジーパパ」が捉えられるようになってきたんですね。パートナーや仲間、家族をどうやって巻き込んだんでしょうか?

う~ん、「巻き込んだ」という感覚はないですね。むしろ、周囲を促して巻き込んでいくのは得意じゃないかも。ありのまま思うがまま動いていると、そこにピタッとはまるプレイヤーがジョインしてくる。もっとぶっちゃけるなら、やりたいことをやっていると勝手に話が来る(笑)。そんなイメージでしょうか。

――だけど、ただ自己満足でやりたいことをやっていてもフォロワーの共感は得られないでしょう。インスタグラマーとしてのブレイクはどのように自己分析されますか?

「こんなパパがいい」「こんな家族ってうらやましい」などなど、インスタで発信していると、日本中のフォロワーから反響が届きます。それは、つまり現状の暮らしに何かしらの不満やストレスを抱えている家族が多いからではないでしょうか? でも人と比べることでネガティブな気持ちになってしまうのは損ですよね。

だからこそ、僕は「人と比べなくていい。クレイジー、そう、夢中で家族と向き合うことが大切」とメッセージしているつもりです。もちろん「子どもがかわいい」とか「癒される」とか他にもブレイクの原因があるかもしれませんが、本質はそこにあると思っています。

 

――動画には上半身裸で楽しく、思いっきり遊ぶクレイジーパパの姿があります。パパ目線で見ても、十分にその楽しさ、メッセージが伝わってきました。

フォロワー数が多い、エンゲージメントが高いなど、いろいろな分析はできると思います。だけど、「子どものために力になりたい」という僕の思いに共感してくれるフォロワーがいたら、その数は関係ないんです。

ありのままにやりたいことをやって、成功する。クレイジーパパの原点とは

――「ありのままに動くこと」がバズを呼び、「やりたいことをやって」ビジネスを呼び込む北村さん。クレイジーパパの原点はどこにあるんでしょう?

ズバリ、高校3年の時ですね。僕は高校野球の名門校・桐蔭学園の野球部にいました。文武両道を掲げる高校で、しかも全寮制。野球と勉強漬けの毎日です。僕は1年から4番を任されていたんですが、そこでは監督の指導のまま、指導されるままにプレーしていました。

――野性味あふれるクレイジーパパの活動ぶりからは想像もできませんが……。

でしょうね(笑)。自分の意思など出さず、指導されるまま野球に取り組んでいました。高3の春の甲子園ではまったく打てなかった。そして、「この成績だと控えに回ってもらうから」と、レギュラーから外されました。

その時、初めて思ったんです。どうせこのままだと高校3年最後の夏は試合に出られない。じゃあ最後くらい思いっきりありのままの自分で、純粋に野球を楽しんでみよう。そこで、今まで監督の教え通りスイングしていたのを自分が思うようにフルスイングするようにしたら、どんどん打てるようになった。

直感で動くことが成功につながるし、成果が出るんじゃないか――その気づきが今につながっています。まさにクレイジーパパの原点ですね。そうだ、リンクアンドモチベーションを辞めた後も小さな成功体験があって。いろいろな活動でキャリアを積めてきたのは、あの気づきも大きかった。

――それがパラレルキャリアの原点ですね。詳しく聞かせてください。

所属しているアメフトチーム「相模原ライズ」に入ったのは社会人2年目の時。そこでアメフトが楽しくなって、どうしても日本一になりたくて。これは働いている場合じゃない! と退職しちゃったんですよ(笑)。

今この瞬間を熱く生きたいと思って、引き継ぎもままならない感じで退職してしまったので、当時の上司には感謝しかありませんね。退職後、リンクアンドモチベーションから業務委託で仕事を打診されました。案件をこなした後、請求書を起こしながら思ったんです。「何だ、こんな仕事のもらい方もあるんだ!」って。本当に新卒でリンクアンドモチベーションに入って良かったです。

元の会社で3年半頑張って、自分なりに確たるものを築き上げていたから、人材領域の仕事に関して自信はありました。個人でも仕事を請けられて、報酬がもらえる。そう確信が持てた瞬間でしたね。

パラレルキャリアのバランスを崩しかけて思ったこと

――クレイジーパパとしての活動が目に留まりますが、ビジネスキャリア以外、もう一つのキャリア「アメフト選手」としての活動はいかがでしょう?

めっちゃパラレルに活動している僕ですが、葛藤もあります。2017年は第2子が生まれ、クレイジーパパの活動も忙しくなり、アメフトチームの練習にもなかなか足を運べなくなっていました。でもフィールド上でのパフォーマンスには自信があります。仲間との一体感を疎かにし、個人のパフォーマンスのみにフォーカスしてしまった。そう、僕はアメフトに対して失礼な男になっていたのです。

僕がアメフトに魅せられたのは、心が震えるくらいの仲間との一体感。チームで心を一つにしてプレーを遂行し、相手のプレーを破壊していく。その繰り返し。メンバーの心がそろわなければフットボールじゃない。僕は忙しさにまぎれて、大事なものを見失ってしまっていたんじゃないか……と思いました。

――パラレルにキャリアを重ねる中では、時に選択と集中も必要になる、ということですね。

そうかもしれません。ただ、何かを選んで何かを捨てるのではいけない。職業やポジションは捨てても、そのキャリアへの思い、心は捨ててはいけないと思うんです。僕の場合はアメフトで培ってきた一体感がそれに当たります。

正直、アメフトについてはまだ迷いがあります。2018年にアメフトをプレーするかどうかは決め切れていません。ただ、アメフトに魅せられてここまできた僕なので、迷ったままのスタンスでフェードアウトすることはできません。またフィールドに立つ日に向けて準備していければと思っています。

自分を客観視できれば、迷いがなくなる

――迷いや葛藤もありつつ、クレイジーに活動を続ける北村さん。今後の展開についてお聞かせください。

ネットで子ども向けの教育番組をつくりたいと思っています。まだ公には出せないですが、水面下で進めているので楽しみにしててください。これまでにない番組をつくり、子どもが自由にハッピーに過ごせる社会に繋げていきます。

――ライブ感があって、子どもと一緒になって進めていく。クレイジーパパのコンセプトそのままですね。

そうですね。クレイジーパパのフォロワーともリアルで繋がっていきたいと思っています。クラウドファンディングで資金を集めてキャンピングカーを用意し、フォロワーの皆さんに会いに行く。

クラウドファンディングという形をとったのは、ビジネスのための資金調達ではありません。本当に応援してくれる人、クレイジーパパのコンセプトに共鳴してくれる人と巡り会えると思ったからです。

デンマークのボブルス社もそうですが、子どもの発達に何が大事かを考え、伝えていけば、おのずとパートナーは現れてくれるでしょう。

――キャリア系の事業についてはどのように進めていきますか?

根っこは同じです。手がけているマッチングアプリでは学生、求職者の意思と経営者の意思、企業の理念をしっかりマッチングさせることを重んじています。条件や働き方も大事ですが、自分の意思で働くフレッシュマンが増えるのは、かっこいい大人が増えるということ。そんな大人を見たら、仕事にやりがいや夢を見いだせる子どもも増えてくるでしょう。子どものためになること、力になれることが僕のすべてです。

――では最後に、クレイジーパパのようにあるがままに、やりたいことに踏み出せないでいる方にアドバイスをお願いします。

考えがあって踏み出せないのなら、それが今のあなただということ。踏み出せない要因があるなら踏み出せるように徹底的に戦略を描くことが大事だと思います。よくありがちなのがビジネスありきで戦略を描いて徐々に苦しくなること。まずは自分のビジョンありきで戦略を描くことが重要だと思います。

そのために自分を客観的に見て、一体何がしたいんだろう、何者なんだろう、と突き詰めていくしかないのではないでしょうか。考えても答えがなかなか出ない時はとにかく行動。動いて違って方向転換して。そうやって徐々に自分が何者で何がしたいのかを創りあげていく。

1)ビジョン達成のための戦略を考える
2)とにかく行動すること

この一見矛盾するような作業の繰り返しを行うこと。これが僕からのアドバイスです。そして僕が行ってきたすべてです。この作業の中で1番大切なのがすべての行動において、関わる人にプラスの力を与えることです。僕自身、迷っていた時期があるのでよくわかります。自らを客観視できて、何がやりたいかが明確なら、もう迷わない。後はエイヤッ! と踏み切るだけです。

やりたいことを仕事にできればパフォーマンスも高まるし、楽しいと思える。それはクレイジーパパの活動を見てもらえばわかるでしょう。これだ! というものが見つかるまで、自分が何者で、一体何がやりたいのかを真摯に突き詰めていってほしいと思います。

(取材・文:佐々木正孝 編集:阿部綾奈/ノオト)

  • 北村雅史さん

    取材協力:北村雅史さん

    桐蔭学園では野球部に在籍し、甲子園に出場。立教大学ではアメリカンフットボールに転向し、19歳以下の日本代表に選出される。卒業後にリンクアンドモチベーションを経て独立。大学生向けのキャリア支援サービス「キャリアライブ」(後に譲渡)を立ち上げたり、社会人アメフトチーム「相模原ライズ」に所属したりとパラレルにキャリアを積んできた。

  • ライター:佐々木正孝

    ライター/編集者。有限会社キッズファクトリー代表。情報誌、ムック、Webを中心としてIT、マネー、不動産などに関する記事を執筆している。

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