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酒でも飲みながら、気軽に税金の相談をしてもいいじゃん?「確定申告酒場」主催の税理士高橋創さん×パラキャリ編集長前村菜緒・対談

個人事業主はもちろん、副業・複業をする人にとっても気になる「確定申告」。お金にまつわることは素人にはわかりづらい部分もあるものの、なかなか人には相談しづらい内容です。

そんななか、新宿ゴールデン街で確定申告について無料で相談できる「確定申告酒場」を主催する税理士がいます。彼の名は高橋創さん。なぜこうした酒場を開こうと思ったのか。パラキャリ編集長の前村菜緒が話を聞きに行きました。

※会社員で確定申告が必要かどうかは、以下の記事をチェック!
▼【保存版】確定申告の基礎知識から申告方法、注意事項までを完全網羅!

対談した人

  • 高橋創さん

    高橋創さん

    税理士。会計事務所勤務を経て、2007年に「高橋創 税理士事務所」を開業。また、新宿ゴールデン街にBar「無銘喫茶」を構える。さまざまな人の確定申告の相談に乗る「確定申告酒場」を開き、2018年は2月22日と24日を予定。詳細、TwitterID @namahagetaxで発信。

  • 前村菜緒

    前村菜緒

    freee株式会社 個人事業部 部長。学生時代、freee創業期3名の時期からエンジニアインターンとして参画。広報、マーケティング、事業戦略など幅広く担当。2017年に開業し、個人としても新たな働き方を実践中。

税に関する悩みをもっと気軽に話せる場をつくりたい

  • 前村

    前村

    「確定申告酒場」を開催するこの「無銘喫茶」というバーは、高橋さんが経営されていると聞きました。どうして税理士をされながらお店を持つことになったのでしょうか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    もともと、ここは友人の店だったんです。今、この店はいろんな人が1日店長としてお店に立ちますが、当時からそうで。僕も1日店長として店を借りていました。でも、友人が店を閉めることになり、それだったら僕が買うよということで、店の権利を5年半前に買い取ったんです。

  • 前村

    前村

    そんな気軽に!?

  • 高橋さん

    高橋さん

    妻には怒られましたけどね(苦笑)。

税に関する悩みをもっと気軽に話せる場をつくりたい
  • 前村

    前村

    高橋さんはずっとこのお店を「確定申告酒場」として営業されていたのですか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    僕が1日店長を始めたのは、自分の事務所を開業した10年前。お店に立つときは、基本的には毎月第5金曜日に47都道府県の食べ物やお酒、そしてその出身地の女性がカウンターにいる「四十七都道府県漫遊記」として営業しています。といっても、第5金曜日があるのは年に4〜5回くらいですが(笑)。

  • 前村

    前村

    確定申告酒場としての活動は、いつごろから行っているのでしょうか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    2010年からですね。いろんな方がいらっしゃるんですけど、なかには下書き用の確定申告書を持ってお店にくる大工さんもいます。開催当初、ユニークな取り組みということいろんなメディアに掲載いただいたのですが、東スポに載せてもらいたくて水着の女性にPRをしてもらったら、周りの税理士関連の方から「品がない」と怒られました(苦笑)。

  • 前村

    前村

    (当時の掲載誌面をタブレットで見せてもらいながら)……これは、怒られそうですね(笑)。

  • 高橋さん

    高橋さん

    僕としては、もっと税理士を身近に感じてほしいんですよね。お金にまつわることって大事なことなのに、難しく感じて敬遠しません? しかも地味な感じもするし……。

  • 前村

    前村

    私も会計ソフトに携わっていますけど、税金と聞くと「お金を持っていかれる」マイナスのイメージがつきまといますよね。あと、疑問点があっても誰に相談していいのかわかりづらいな、とも思います。

  • 高橋さん

    高橋さん

    おそらく、税理士は顔の見える人が思い浮かばないのもあり、余計に相談しづらいのだと思います。たとえば、弁護士ならテレビ番組の影響もあって、橋下徹さんや丸山和也さんの顔が思い浮かびます。会計士には、勝間和代さんや『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の山田真哉さんがいます。でも、税理士ってなると……。

  • 前村

    前村

    思い浮かばないかもしれないですね……。

  • 高橋さん

    高橋さん

    税理士は税金まわりのプロだから、どんどん相談してもらいたいんですよ。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うかもしれませんが、一般の方のお金に関する疑問は僕からするとだいたい同じような質問が多いので、それに対する回答は再放送をしているようなもの。だから、答えるのにそこまで負担になることは多くありません。

  • 前村

    前村

    気軽に聞いていい、といわれると安心しますね。

  • 高橋さん

    高橋さん

    それに、一度税理士に相談すると、ご自身の中の疑問が整理できて、もう一歩踏み込んだ対策が取れるようになると思います。その一歩目を踏み出しやすくしたいという気持ちがあったので、「無料相談会」ではなく「酒場」の名称にしていますね。

税理士ももっと表に出たい人は多いはず

  • 前村

    前村

    高橋さんは先ほど、税理士は顔が見えないとおっしゃっていました。税理士の業界では、表に出るのは良しとされないのでしょうか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    税理士でも、表に出たい人はいると思います。ただ、出方がわからないのかもしれません。僕らって、基本は自分を売り込む営業職。だから、本来は広報的な活動にももっと力を入れられるといいのですが。

  • 前村

    前村

    税理士さんのもとにはいろんなお金に関する悩みが寄せられそうですし、自分の別の活動を、悩みを解決するために活かすこともできそうですよね。

  • 高橋さん

    高橋さん

    基本的に、税理士の仕事は収入的には安定しやすいですね。僕の場合も、税理士という仕事があるので、こうしたちょっと変わったことにチャレンジしやすいのもありますから。

    税理士で安定的な収入がある人は不動産投資などをする人が少なくないのですが、自分のスキルをもっと別のことに生かす道も見つけたい。おこがましいかもしれませんが、僕はそういう何かやりたい人のモデルケースになれればいいな、という思いもあります。

税理士ももっと表に出たい人は多いはず

面白いことをやるなら、業界内での格も大切

  • 前村

    前村

    税理士さんの場合、ほかに仕事や活動をするにしても、なにか制約があったりするのではないでしょうか? たとえば、先ほど水着の女性のPRはあまり良くなかったみたいですし。

  • 高橋さん

    高橋さん

    変わったことをすると、3人には好かれるけど、10人には嫌われます(苦笑)。それは、税理士に期待されているイメージもありますからね。ただ、僕としては面白いことをやるためにも、業界内での”格”は落としたくないと考えています。

  • 前村

    前村

    具体的にどういうことでしょうか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    たとえば、税理士が本を書く際、一般読者に評判がいいのは「節税」や「これは経費になる?」といったライトな内容です。でも、そうした本は業界内ではあまり評価されないんです。僕はもともと学術的な面にも関心があるので、出版社から本の依頼があったとき、専門的な内容をわかりやすく伝える内容ならぜひ書きたいと伝えました。

    その結果、2016年に中央経済社から『税務ビギナーのための税法・判例リサーチナビ』を出版することができました。専門書の位置付けになる本を最初に出せたことで、「ちゃんとしている」という立ち位置は得られたと感じています。

  • 前村

    前村

    たしかに、業界内での立ち位置は重要かもしれないですね。

  • 高橋さん

    高橋さん

    僕一人が活動しても、税理士に対するイメージは変わらないですよね。税理士の仕事をもっと身近にするなら、業界として取り組むことが必要だと思います。そういうとき、業界内で話を聞いてもらえないと意味がないですから。なので、一般の方の気持ちもわかるけど、業界内のこともわかる、という立ち位置は意識していますね。

面白いことをやるなら、業界内での格も大切
  • 前村

    前村

    高橋さんは、今後どのような活動を考えていますか?

  • 高橋さん

    高橋さん

    今2つ進めていることがあって、一つは確定申告を柔らかいイメージにするために勘定項目を動物に見立てた擬獣化でのキャラクター作りをしています。もう一つは、プロレス団体とコラボして、確定申告酒場のPR試合が決まりました(DDTプロレス後楽園大会。2018年1月28日)。

    複業は必ずしもお金を稼ぐことを指すわけではなくて、複数の活動をしていることをいいますよね。一つ核となる仕事があれば、お金にならなくても楽しいことにどんどん挑戦してみると面白いと思います。僕自身、こうした冒険ができるのは楽しいですし、なにより「ゴールデン街にお店を持っています」というと、会話のフックにもなります。確定申告酒場以外でも、今はなるべく水曜日にお店に立つようにしているので、お酒を飲みに来るのはもちろん、お金周りの悩みがあれば、気軽に相談してください。

(取材・文:南澤悠佳/ノオト)

  • ライター:南澤悠佳

    有限会社ノオト所属の編集者、ライター。得意分野はマネー、経済。ママ向けや不動産、会計など、企業のオウンドメディアを中心に担当する。 Twitter ID:@haruharuka__

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